釣の話し

  昼過ぎからルアーで烏賊、キスゴなどを狙っていた。

 日も傾き初め夕日になる頃。

 そこで知り合った男性にこの近くで夜ガシラが釣れると教えてもらった。

 友人と日が沈むのを待ち釣りを開始する。

 しかし一向に釣れない。

 ポイントを変え試してみたが釣れなかった。

 結局来るまで場所そのものを変えて釣ることにした。

 そこは車を開けると魚の腐った臭いが立ち込めていた。

 海なので多少そういう臭いがしてもおかしくないのだがここは酷すぎる。

 それでも海に向かって糸をたらす。

 釣りを続けたが釣れない。

 あるポイントで背中に悪寒が走った。夜とは言え真夏のことである。

 いやな予感がした私は友人に無理をいい車に急いだ。

 友人は私が釣りに飽きたと思ったらしい。

 車に乗り込み家へ急ぐ。

 この時いつも使う新道への道ではなく旧道への道をなぜか選んでしまった。

 車で走っていても誰かに追われているという不安は拭えなかった。

 タイミングよく私の車の後ろに車がついた。

 いや車かどうかわからないヘッドライトだけしか確認できなかったので。

 ヘッドライトがついてくる。

 ある急カーブでヘッドライトは消えた。一瞬バックからの光が消えたと思ったらそのままついてこなかったのだ。

 ありえない。

 そこは車が通れる横道はないし民家もない。山と海に挟まれた道なのだ。

 後で友人に聞くと私がなにに怯えているのか解らなかったそうだ。

 私が後ろの車のライトが消えたと言った意味も解らなかったそうだ。